eスポーツ×Z世代の今を知る!注目の理由と今後の展望
熱狂、興奮、そして新たな文化の誕生。今、日本のエンターテイメント業界で熱い注目を集めているのが「eスポーツ」です。そしてその中心にいるのが、デジタルネイティブと呼ばれるZ世代。彼らの情熱と消費行動が、eスポーツ市場を驚異的なスピードで成長させ、企業のマーケティング戦略に影響を及ぼしています。今回は、Z世代とeスポーツが織りなす新時代のエンターテイメントビジネスを紹介いたします。
1. はじめに:eスポーツ市場の急成長
eスポーツ業界は急速な勢いで成長を遂げています。
日本eスポーツ連合の推計によると、2022年の国内eスポーツ市場規模は前年比約1.5倍の116億円に達しました。
コロナ禍明けのリアルイベント再開とともに、さらなる盛り上がりを見せており、新たなコンテンツ産業として注目を集めています。
2. eスポーツとは
eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)は、コンピュータゲームやビデオゲームを競技として行う活動を展開します。対戦型のゲームタイトルを使用し、個人またはチームで競い合うスタイルが主流です。
■eスポーツの特徴
•競技性: 操作技術や戦略、瞬間の判断力などで勝敗を左右します。スポーツと同様に、プレイヤーたちは日々の練習を重ねて技術を磨いています。
•観戦型ライブ配信: 試合のライブ配信や解説付きの大会が開催され、多くのファンが観戦を楽しんでいます。
•多様なジャンル: ファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS)、格闘ゲーム、プレイヤーオンラインバトルアリーナ(MOBA)、スポーツゲームなど、多様なジャンルで競技が行われています。
■eスポーツの競技環境
・プレイヤーは個人またはチーム単位で活動し、トレーニング施設やコーチの指導を受けるなど、従来のスポーツと同様の競技環境が整備されています。
・世界的な大会では数億円規模の賞金が用意されることもあり、トッププレイヤーはプロアスリート同様の評価を得ています。
eスポーツは、競争性やスポーツとしての魅力に加え、ビジネスの可能性も予測される新時代のスポーツです。オンラインとリアルの世界をつなぐその魅力は、ますます多くの人々を惹きつけています。
3. Z世代とeスポーツの親和性
Z世代は、デジタルネイティブとして生まれ育ち、情報収集やコミュニケーションの多くをSNSや動画共有サービスを通じて行っています。
オンラインでのコミュニケーションや娯楽が日常的なZ世代にとって、eスポーツの舞台であるゲームや配信プラットフォームは非常に近い存在です。
特に、YouTubeやTwitchなどのプラットフォームでは、ゲーム関連のコンテンツが絶大な人気を誇り、ゲーム実況者やeスポーツ選手がZ世代にとって「新しいスター」として注目を集めています。また「eスポーツ」のプレイヤーはZ世代が多いということもあり、同世代にとって親近感が高まる要因のひとつになっています。
またeスポーツはゲームを通じたつながりを生み、ライブ観戦での交流やお気に入りのゲームやチーム、選手を「推す」ファンコミュニティを形成しています。
このようなコミュニティは、近年Z世代の消費傾向として注目される「界隈消費」や「推し活消費」からもわかるように、ファン同士のつながりや共感を生み出す体験としての価値も持っています。
コミュニティとのつながりや共感を重視し、消費する傾向にあるZ世代にとって、eスポーツは単なる娯楽ではなく、共感や共有を通じた体験として支持されています。
4. 【有料でも大規模集客に成功!】eスポーツイベント事例
このように人気を集めるeスポーツはすでに日本国内でも大規模な集客に成功したイベントが開催されています。
有料チケットを購入する形式のイベントでも大きな集客があるということからもその人気の高まりが伺えます。
以下にいくつか事例をご紹介します。
事例1.VALORANT Challengers Japan 2023 Split 2
2023年6月にさいたたまスーパーアリーナで開催された人気FPSゲーム「VALORANT」の国内大会では、2日間で2万6千人を超える観客が訪れ、当時の日本国内eスポーツ史上最多の動員記録を達成しました。
また、2日間の動画最新も、有観客オフライン大会として当時の最高レベル同時接続数約50万人を記録しました。
事例2.EVO Japan 2024
EVO Japan 2024は、日本最大の格闘ゲーム大会で、2024年4月27日から4月29日までの3日間、有明GYM-EXで開催されました。
これまでのEVO Japanでは、参加費に加えて、最終日に開催される主要3タイトルの決勝トーナメント以外は入場も無料でした。しかし、今年は、健全な運営、継続性の担保を考慮し、参加費と入場料が有料化されており、集客に関する懸念もありましたが、実際は事前に用意したチケットの25,000枚は完売。正確な数値の発表はないものの、3日間の来場者数は過去最高を記録したとのこと。
なお、大会参加者は延べ人数9,000人を超えており、海外からも多くの人が参加する過去最高の盛り上がりとなっていました。
事例3.「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」
「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2024」(SFL Pro-JP 2024)は、カプコンが主催する日本のプロフェッショナルな「ストリートファイター」チーム競技の第7シーズンです。このリーグは「ストリートファイター6」を使用し、過去最大の12チームが参加しており、各ディビジョンの上位3チームがプレイオフに進出し、シングルエリミネーション形式で対戦します。プレイオフの勝者はグランドファイナルに進出し、優勝チームはSFLワールドチャンピオンシップ2024への出場権を獲得します。
プレイオフは2024年12月21日(土)と12月22日(日)オフラインで開催されますが、会場での観戦はできず、代わりにWEB先行視聴チケットが販売されおり、グランドファイナルは、2025年2月11日(火・祝)にオフライン開催され、現地観戦のためのチケットが販売されています。(グラウンドファイナルもプレイオフ同様にWEB先行視聴チケットあり)
ストリートファイターリーグでは、CAPCOM Fighters JPの公式YouTube、Twitchチャンネルで全節オンライン中継をしており、毎節数万人規模の同時接続数を記録。グランドファイナルの現地観戦チケットはS席、A席がすでにSOLDOUTするなど(2024年11月26日時点)、過去最大級の盛り上がりを見せています。
筆者も「ストリートファイター6」をプレイしており、プレイオフ、グランドファイナルのWEB先行視聴チケットを購入済みです!!
5. eスポーツのZ世代マーケティングへの影響
eスポーツの人気・市場の拡大とともに、Z世代へのアプローチとして、eスポーツを活用したマーケティングを重視する企業も増加しています。
経済産業省の調査データによると、eスポーツを観戦したZ世代の約8割が「スポンサー商品に向けてアクションを取る」という結果があります。
さらに、Z世代は「スポンサー商品を周囲に推奨する」傾向が他の世代よりも高いことが分かっています。
Z世代はスポンサーシップによるブランドイメージ向上の効果が大きく、好きなコンテンツからの発信がブランドへの信頼につながりやすいという特徴があります。
このため、企業にとってeスポーツは魅力的なマーケティング手段となっています。
企業事例1.ユナイテッドアローズ×Riot Games コラボ
ユナイテッドアローズは2023年12月に開催された「Riot Games ONE オフラインイベント」で、初となるコラボグッズを企画、販売。初コラボについて、会場販売では即日完売の商品も発生するなどVALORANTを表現したデザインは大きな反響を呼びました。
企業事例2.JCB×ZETA DIVISION コラボ
株式会社ジェーシービーは2022年11月にプロeスポーツチーム「ZETA DIVISIN」とのスポンサー契約を締結。「JCBブランド」の認知拡大や一般広告だけでは伝わらない魅力まで知ってもらうこと、特にZ世代にジェーシービーブランドをもっと広く知っていただけることを目的として、契約を行う形となった。
ジェーシービーが18歳~39歳までの方に「お客様の声」としてアンケートを取った際、9割以上のお客様がZETA DIVISIONへの協賛に好感を持っているという結果となり、反響を呼びました。
6.今後の展望と企業の課題
調査によれば、Z世代の約4人に1人がほぼ毎日ゲームをしており、そのエンゲージメントは非常に高いです。また、「運動・スポーツ」を好む人も多く、どちらも同じくらい好きという回答も見られます。これらのデータは、Z世代が多様なエンターテインメントに対して開かれていることを示しています。
このように、eスポーツとZ世代は密接に関連しており、その影響力は今後も拡大していくことが予想されます。企業やマーケターにとって、この関係性を理解し活用することは重要です。企業は、この「界隈」に上手く入り込み、Z世代との強いエンゲージメントを築くことが求められています。
eスポーツは単なるゲーム大会ではなく、新しいコンテンツ産業として、ますます注目を集めていくことが予想されます。
7. Z世代向けの空間デザイン&プロモーションならビーツ!
eスポーツなどの界隈消費はもちろん、Z世代の特色を意識した空間デザイン・イベント企画を行っています!
韓国の最先端のクリエイティブも活用して、より魅力的な店舗を設計・施工していきます。
Z世代が集まる空間のデザインはもちろん、プロモーション企画なども幅広くサポートいたします。Z世代をターゲットにした企画をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。