「そもそも思考」で企画力UP!販促担当者必見のアイデア術
販促・マーケティング担当者として企画を考えるときに、良いアイデアが浮かばなくて悩んだり、同じことをぐるぐる考え続けたりして、途方に暮れてしまう、、、こんな経験はありませんか?
販促・マーケティング担当者はもちろん、企画やデザインに携わる人なら一度はぶつかる壁ではないかと思います。
さまざまなクライアントのマーケティング支援を行う私たちビーツも同じように悩み、より良い企画・デザインを生み出すために、常に新しいアプローチを模索しながら取り組んでいます。
「企画やデザインに悩んだ時、どうやって考えるか良いヒントはないですか?」
リテールボイス編集チームが、ビーツのクリエイティブ推進グループのリーダーに取材したところ、非常に参考になる考え方に出会いました。それが本記事のタイトルにもある「そもそも思考」です。
この「そもそも思考」は、私たちビーツが悩んだ時に視点を変えて考え直すために大切にしている方法で、マーケティングやデザインに限らず、日常の仕事や生活でも役立つ視点です!
今回は、悩めるマーケッターや企画・デザインに関わる皆さんのアイデアのヒントとなる情報をお届けするために、「そもそも思考」とは何か、なぜ大切なのか、そして具体的な「そもそも思考」の実践方法についてご紹介します。この記事を通じて、企画力・提案力がぐっとアップするきっかけになれば幸いです!
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企画に役立つ「そもそも思考」とは?
「そもそも思考」とは、
問題や課題に直面したときに、その根本的な原因や本当の目的を見つめ直す考え方です。
簡単に言えば、目の前の問題をそのまま解決しようとするのではなく、『そもそも、これって何のためにやるんだっけ?』と一歩引いて考えること。
これだけで、本当に必要な解決策が見えてくることがあります。
例えば、仕事が毎日忙しく目の前のタスクを1つずつ処理するだけで精一杯!という状況もビジネスパーソンにはよくあることかと思います。でも、「そもそも、このタスクをやる理由は何だろう?」と問いかけることで、効率が上がり、より重要なことに時間を割けるようになることもあります。
次の章では、この「そもそも思考」をどのように活用するのか、具体的な事例を交えてご紹介していきます。皆さんの日々の業務や企画のヒントとして、きっと役立つはずです!
「そもそも思考」の具体例
「そもそも思考」を実際にどう使うのか、具体的な例を仕事のシーンで考えてみました。
新入社員指導で「なかなか覚えられなくて…」と言われたとき
会社で新入社員に業務を教えているとき、「なかなか覚えられなくて…」と言われたとします。この場合、「もっと丁寧に説明すればいいのかな?」と考えがちです。しかし、「そもそも、なぜ覚えられないのか?」と立ち止まって考えてみると、以下のような原因も考えられます。
【考えられる理由】
・新入社員の理解度や前提知識を把握せずに説明していた
・専門用語が多く、理解しづらかった
・実際にやってみる機会が少なく、頭だけで覚えようとしていた
・一方的な説明で、質問しにくい雰囲気になっていた
このように、「そもそも」の視点で考えることで、より丁寧に説明するというだけでなく、新入社員の視点に立った指導方法が見えてきます。例えば、理解度に合わせた説明を心がける、実践の機会を増やす、質問しやすい雰囲気を作るなど、指導の質を向上させる方法が見つかります。
新しいシステム導入がうまく進まないとき
DX時代の昨今、新しいシステムが会社に導入されるケースも増えています。しかし、新しいシステムを導入したのに、メンバーがうまく使いこなせず、作業効率がなかなか上がらないという状況が発生することもあるのではないでしょうか。あなたが新システムの導入担当者だとしたら「もっと新システムの操作トレーニングの時間を増やせばいいのかな」「説明会をもう1度開こうかな」とまず考えてしまうかもしれません。しかし「そもそも、なぜ使いこなせないのか?」とちょっと立ち止まって考えてみると、以下のような理由もシステムが定着しない理由になっているかもしれません。
【考えられる理由】
・システムが現場の実情に合っていないから
・操作が複雑で習得に時間がかかるから
・使い方のガイドやサポートが不足しているから
・メンバーが導入のメリットを実感していないから
「そもそも」の視点で考えることで、ただトレーニングの機会を増やすだけでなく、システムのマニュアルを見直したり、実際の業務に沿ったトレーニングにする(トレーニング内容の改善)など、根本的な改善策が見つかります。
企画を成功に導く「そもそも思考」の広がり
「そもそも思考」は、視点を少し変えて全体を見渡す、いわば『メタ思考』です。一歩引いて考えることで、普段は見えにくい本当の問題や目的に気づくことができます。これにより、表面的な解決策ではなく、問題の本質にアプローチすることが可能です。
メタ思考を取り入れることで、単純な判断や対処にとどまらず、課題の背景や全体像を把握し、最も効果的なアクションを導き出せます。つまり、メタ思考は通常の思考を超え、物事の根本的な原因や目的をしっかりと捉えるための重要な考え方です。
「そもそも思考(メタ思考)」を活用することで、単に指示されたことをこなすのではなく、その背景や本当の目的に気づき、提案や企画の質をより高めることが期待できます。
日常にも役立つ「そもそも思考」
「そもそも思考」は、仕事や企画だけでなく、日常のあらゆる場面でも有効です。
何かに取り組む際に「そもそも、なぜこれをやるのか?」と自問するだけでも効果があります。
仕事のタスクでの「そもそも」
メール処理
ただメールを開いて返信するのではなく、「そもそも、このメールのやり取りのゴールは何か?」を考えてみましょう。単なる情報共有が目的であれば、返信は簡潔にまとめたり、返信が不要な場合は確認だけで済ませたりすることで、時間を大幅に節約できます。こうした小さな工夫が、よりシンプルで効果的なコミュニケーションにつながります。
会議の準備
会議の資料を作るときも、「そもそも、何を伝えるための資料なのか?」を考えることで、無駄な情報を省き、ポイントを絞った資料に仕上げることができます。これにより、会議の時間短縮や内容の充実度が向上します。
家庭での「そもそも」
掃除や片付け
部屋がすぐに散らかってしまう場合、「そもそも、なぜ片付かないのか?」を考えてみましょう。収納スペースが足りないのか、ものが多すぎるのか、片付けの手間を減らす工夫が必要なのか。こうした原因を見直すことで、片付けやすい環境づくりが整い、日々の負担も軽減されます。
朝の支度
朝の準備でバタバタしてしまい、「いつも時間が足りない…」と感じることはありませんか?そんなとき、「そもそも、なぜ朝の支度がこんなに慌ただしいのか?」と考えてみましょう。前日の夜に翌日の服を準備しておく、必要なものをまとめて玄関に置いておく、朝食をシンプルにするなど、少しの工夫で、朝の余裕が生まれるかもしれません。
「そもそも思考」は、物事を別の角度から見ることで、新しいアイデアや選択肢を広げるのに役立ちます。固定観念にとらわれず、「そもそも、他にどんなやり方があるのか?」と問いかけることで、日々のさまざまな場面で活用することができます。
デザインに活かす「そもそも思考」
デザインにも「そもそも思考」の視点は大切です。
ダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』によると、人間の思考には、直感的な『速い思考』と、熟考する『遅い思考』の2つのシステムがあります。
システム1.ファスト(速い思考)
・・・経験にもとづく直感や感情による判断。自動的で素早い。何も考えず、瞬時に反応するような場面で働きます。日常のほとんどの判断は、このファストが行っています。
システム2.スロー(遅い思考)
・・・熟考によってもたらされる判断。意識的で論理的。複雑な問題に取り組むときや新しい情報を学ぶときに使いますが、時間とエネルギーを要するため、普段はあまり働きません。
私たちが普段使っているのは圧倒的に「ファスト思考」であり、感じたことをもとに瞬時に判断しています。例えば、涙を流す女性の写真を見て”悲しそう”と感じたり、金の箔押しが施された黒い箱を見て”高級感がある”と感じたり、桜の柄のポスターを見て、”春っぽい”と感じたりすのも「ファスト」によるものです。
◆◆◆店頭販促ツールと「ファスト(速い思考)」
これを店頭販促ツールのデザインに置き換えてみます。にぎやかな店頭で、特に情報を求めていないお客様の場合、販促ツールに目が留まるのはほんの数秒。そのわずかな瞬間に視覚的な印象で「興味を持つ」か「スルーする」かが決まります。つまり、お客様が瞬間的に感じ取れるデザインこそが求められます。
どれだけ詳しい説明が書かれていても、一瞬で関心を引けなければ「スロー(遅い思考)」が働かず、情報は見逃されてしまいます。これは、店頭の販促ツールだけでなく、DM、折り込みチラシ、WEB広告、街中のサイネージ広告など、さまざまなデザインに共通する課題です。
◆◆◆デザインにおける「そもそも思考」のポイント
デザインを考える際の「そもそも思考」とは、「そもそも読まれない」ことを前提に、情報をシンプルにし、視覚的にわかりやすく伝えることです。伝えたいメッセージを絞り込み、直接的に理解されるデザインにすることが、重要なポイントとなります。
商品の特徴や、ユーザーの評価、機能の進化点、キャンペーン情報など伝えたいことが多くても、情報を詰め込みすぎると、かえって伝わりにくくなります。「そもそも読まれない」という前提を意識し、最も重要なメッセージを絞って伝えることが大切です。
「そもそも思考」を取り入れることで、瞬時に伝わるデザインが生まれ、効果的に訴求できます。
ビーツ流!企画に活かす「そもそも思考」の活用方法
ビーツでは「そもそも思考」を販促をはじめとしたマーケティング企画のプロセスに取り入れ、クライアントにとって本当に価値のある提案を行うことを目指しています。この考え方を軸に、提案からデザイン作成までのプロセスを一貫して進め、本質的な課題に向き合った解決策を提供しています。
企画・デザインプロセスへの「そもそも思考」の取り入れ方を簡単にまとめると、
STEP1.そもそも何のためにやるのかを明確にする
まずは、「プロジェクトの目的は何か?」を明確にします。目の前のタスクに捉われるのではなく、全体の目的を確認・チームで共有します。
例えば、クライアントから春のキャンペーンの提案を求められた際に、単に依頼に応じるだけでなく、「なぜ春にキャンペーンを行うのか」といった背景まで掘り下げて考えることを重視しています。
STEP2.クライアントとターゲットの本当のニーズを深掘りする
クライアントの真のニーズを把握するため、徹底的な調査・分析を行います。ターゲットの視点も考慮し、「ターゲットは誰で、何を求めているのか」を理解することで、より効果的な提案が可能です。
STEP3.そもそも思考で企画を練る
目的を明確にし、クライアントやターゲットのニーズを理解した後は、企画の立案です。「この企画は何を解決するためのものか」を問い続け、課題に合った解決策を形にします。
STEP4.伝わるデザインを作成する
「ひと目で伝わるデザインになっているか」「情報をどうすれば分かりやすく伝えられるか」を常に意識し、伝わりやすいデザインを作成します。”伝わる”デザインを心がけ、視覚的な訴求力を高めています。
このようにビーツでは「そもそも思考」を企画・デザインの際に取り入れています。
新商品の発売にあわせた店頭販促ツールのご提案なども、
・そもそもなぜ、このツール構成なのか
・そもそもなぜ、このサイズ・仕様なのか
・そもそもなぜ、今のツールはこのデザインなのか
・そもそもなぜ、今のツールはこの訴求内容なのか ・・・
などさまざまな「そもそも」を意識して取り組んでいます。
この記事を読んで『そもそも思考』のアプローチが気になった方は、次回の企画に迷ったときに、ぜひ一度「そもそも思考」を取り入れてみてください。視点を変えるだけで、新しい発見やアイデアが生まれるヒントになるかもしれません。
ビーツは「そもそも思考」で企画を磨く
ビーツは、創業から40年以上にわたり販促のプロとして、メーカー、通信・IT、流通、食品、アパレルなど、さまざまな業界のリーディングカンパニーと協働してきました。2023年には年間約6,900のプロジェクトを推進。豊富な経験を積み重ねる中で、クライアントの表面的な要望を超え、本質的なニーズや課題に向き合い、効果的な解決策を見つけ出す力を磨いています。
この記事では、ビーツが提案の際に取り入れている「そもそも思考」について詳しくご紹介しました。課題の本質を見極めるこのアプローチが、どのようにして効果的な提案や企画につながっているのか、少しでも感じていただけたでしょうか。「こんな考え方で提案してくれるのか」と興味を持っていただけたなら、私たちもとてもうれしく思います。
もしご興味があれば、ぜひビーツの提案を一度体験してみてください。皆さまにとってより良い提案ができるよう、私たちも全力でサポートいたします!
リテール領域の顧客体験を共創
ビーツは「リテール領域の顧客体験を共創する」をミッションに、クライアントの商品やサービスを感動や驚き、喜び、そして共有したくなるポジティブなブランド体験として、生活者に届けるマーケティング支援を行っています。
販促ツール、展示会、店舗施工、ポップアップストア、イベント、プロモーション、さらにはOMOソリューションまで、さまざまな課題に対して最適な企画・ソリューションを提供しています。
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ビーツの販促ツールは世界のアワードで通算200賞以上を受賞!
ビーツは、マーケティング解決力を高めていくことを目的として、国内外の各コンテストに参加し続けています。国内のプロモーション業界における日本最大級のコンテスト「JPM POP クリエイティブ・アワード」(日本プロモ―ショナル・マーケティング協会主催)をはじめ、さまざまなコンテストでの受賞作品をHPでご紹介していますので、ぜひご覧ください。