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マーケッター&クリエイターのための「大阪・関西万博expo2025」ハイライト

2025年の大阪・関西万博は、単なる未来技術の展示ではなく、企業のマーケティング戦略やブランド表現にとって多くの学びを得られる場です。
未来の消費者行動、ブランドの世界観構築、リアルとデジタルの融合、グローバル市場の動向、SDGsの取り組みなど、マーケッターが注目すべきポイントは多岐に渡ります。
これからのマーケティング戦略を考える上で、万博は新しい視点の宝庫、ぜひ現地で最新のトレンドやデザインを体感して、今後の戦略に活かしていきませんか。

目次

万博とは何か?その歴史と役割

万博(万国博覧会)は、産業・文化・科学技術の進歩を世界に発信し、各国が最新の成果を披露する場として長い歴史を持っています。最初の万博は1851年にロンドンで開催された「第一回万国博覧会」で、世界各国が産業革命の成果を展示しました。
当時は国の繁栄を世界に誇示する場でもあったようですね。
日本もこれまでに複数回の万博を開催しており、特に1970年の「大阪万博(EXPO’70)」は日本の高度経済成長を象徴するイベントとして記憶されています。この万博は「人類の進歩と調和」をテーマに掲げ、太陽の塔やリニアモーターカーの展示などが注目を集めました。

日本で開催された主な万博

日本で開催された万国博覧会(万博)は、その時代ごとの社会的・経済的な背景を反映しています。戦後復興、高度経済成長、バブル期、IT革命、そして持続可能性の時代へと、日本の万博は時代に応じたテーマを掲げ、国内外にメッセージを発信してきました。それぞれの万博の特徴を簡単に紹介します。

1970年 大阪万博(EXPO’70)  テーマ:「人類の進歩と調和」

●日本初の本格的な万博で、アジア初の開催
●高度経済成長期の象徴的イベント
●太陽の塔、月の石の展示、動く歩道などが話題に

1985年 つくば万博(国際科学技術博覧会)  テーマ:「人間・居住・環境と科学技術」

●科学技術に特化した万博
●ロボットやIT技術の展示が注目を集めた
●日本初の磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)公開


2005年 愛知万博(EXPO 2005)  テーマ:「自然の叡智」
「自然の叡智」をテーマに環境技術や持続可能性に焦点を当てた。

●環境保護をテーマにした万博
●燃料電池車やリニモ(磁気浮上式鉄道)を導入
●「モリゾー&キッコロ」がマスコットキャラクターとして人気

日本の万博は、経済成長期の発展、科学技術の革新、環境意識の高まりといった時代の流れを映しながら進化してきました。では2025年の大阪・関西万博はどんなものになるのでしょうか?

2025年大阪・関西万博の概要

大阪・関西万博は、2025年に日本の大阪府で開催されます。以下にその概要です。。
テーマ:「いのち輝く未来社会のデザイン」(Designing Future Society for Our Lives)

コンセプト
People’s Living Lab –
未来社会の実験場
1.展示をみるだけでなく、世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を「共創」(co-create)
2.万博開催前から、世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ
3.人類共通の課題解決に向け、先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場に。


期間:2025年4月13日(日)から10月13日(月)までの184日間
場所:大阪府大阪市の夢洲(ゆめしま)

公式ホームページhttps://www.expo2025.or.jp/

2025年大阪・関西万博の特徴とマーケッターにとってのハイライト

2025年の大阪・関西万博は、デジタル技術の進化や社会課題解決の視点を強く意識した構成になっています。特に、マーケティングに関わる人々にとって、以下の点が参考になると思います。
 
1. 未来の消費行動を知る実験場
大阪・関西万博では、デジタルとリアルを融合させた「未来型の購買体験」が多く取り入れられています。例えば、バーチャル展示やデジタルツイン技術を活用した空間設計に注目。マーケッターにとっては、これらの技術が実際にどのように消費者に受け入れられるのか、観察する絶好の機会となります。
 
2. ブランドの世界観を体験する場
企業パビリオンは、各ブランドが商品やサービスの展示を超えて、ブランドの世界観を演出するための重要な場となります。1970年の大阪万博でパナソニック(当時松下電器)が未来の家電生活を提案したように、企業はストーリーテリングを駆使した体験型マーケティングを展開しており、ブランド戦略を考える上でのヒントになります。
 
3. リアルイベントとオンラインの融合
コロナ禍を経て、リアルイベントとオンラインの融合はマーケティングの新常識となりました。万博でも「デジタル万博」として、オンライン参加型の企画が数多く準備されています。リアルイベントとデジタルコンテンツの相互作用をどのように設計すべきかを学ぶ場となるでしょう。
 
4. グローバルマーケットの最新トレンドをキャッチ
世界各国のパビリオンには、それぞれの国の最新技術や文化が詰まっています。国際文化豊かな展示は、これからの市場拡大を狙うマーケッターにとって重要な情報源となるはずです。
 
5. SDGsとサステナビリティの最前線
近年、企業マーケティングにおいてSDGs(持続可能な開発目標)をどう取り入れるかが重要視されています。大阪・関西万博では、環境負荷を減らすサステナブルな技術やサービスが紹介されるため、今後のマーケティング・ブランド戦略に活かせるポイントが多く見つかるでしょう。

2025年大阪・関西万博7つのエリア

1. シグネチャーパビリオン(テーマ館)
 万博の象徴となるパビリオンで、主要企業や団体が“未来社会を体験できる”展示を行う。
・「いのち輝く未来社会」の具体化
・8つのパビリオンが登場予定


2. 企業・団体パビリオン
 国内外の企業・団体が未来の技術やライフスタイルを展示。
・トヨタ、パナソニック、NTT、三菱などの主要企業が参加
・AI、ロボット、モビリティ、デジタル技術 などを活用


3. 各国パビリオン(政府出展)
 各国政府が出展し、自国の技術・文化・社会課題の解決策を紹介。
・約150カ国が参加予定
・SDGs、脱炭素、デジタル社会、医療などがテーマ


4. 未来社会の実験場(Future Society Showcase)
 万博を通じて新しい技術・社会システムを実証。
・空飛ぶクルマ(eVTOL) の運用
・デジタル通貨・非接触決済の実験
・遠隔医療・ヘルスケア技術の体験
 
5. 参加型プログラム(イベント・交流)
 来場者が体験・参加できるイベント。
・VR・AR技術を活用した体験型コンテンツ
・ワークショップやカンファレンスの開催


6. サステナビリティ・エコシステム
 環境負荷を減らし、持続可能な運営を実現。
・脱炭素設計の建築(木造・再生素材の活用)
・循環型エネルギーシステムの導入


7. インフラ・アクセス関連
 万博のための新たな交通・インフラ整備。
・夢洲(ゆめしま)への新アクセス(地下鉄延伸、バス・船の導入)
・MaaS(Mobility as a Service)を活用した移動体験

マーケティング視点で訪れるべきエリア

日本企業パビリオン

未来技術や伝統文化を融合した展示が特徴。スマートシティや体験型コンテンツを通じて、来場者に新たな価値を提案、絶好のマーケティングの学習機会に。国内のトップ企業がどのようにブランドの未来像を描くのかをチェック。


テーマ館「未来社会ショーケース」

Society 5.0を基軸に、サイバーとフィジカルの融合を体験。未来都市の課題解決や新しい幸せの形を考える場として注目です。次世代のライフスタイルや都市設計が提示され、消費者インサイトを得る手がかりに。


海外パビリオン

各国の独自性やイノベーションを体感可能。国際協力や文化交流の場として、グローバルな視点でのマーケティング戦略立案に役立つ。グローバル市場のトレンドや新興国の成長戦略を体感。


サステナビリティゾーン

環境問題解決の最先端技術を展示。次世代エネルギーや循環型社会への取り組みは、企業のCSR活動強化に活用可能です。環境・エコ技術を活用したマーケティング手法のヒントを得る。

大阪・関西万博は、マーケッターだけでなく、デザイナーやクリエイターにとっても大きなインスピレーションの源です。時代ごとの技術進化や文化の変化を映し出すイベントとして、様々な形でクリエイティブ表現がなされています。

クリエイター&デザイナー視点でも見どころいっぱい!

1. マスコットキャラクターの進化
万博といえば、マスコットキャラクターが一つの象徴です。過去の万博では、未来的なデザインからその時代のポップカルチャーを取り入れたキャラクターが登場しており、現代のデザインもこれを踏襲しつつ、新しい要素を加えることが期待されています。これらはマーケティングの観点でも重要で、ブランドのイメージやターゲット層へのメッセージ伝達のヒントになります。
 
2. ブースの造形と展示手法
各国や企業のブースは、最新の建築技術や素材を駆使し、独自のコンセプトを表現します。これは、展示会やイベントブースのデザインにおいて非常に参考になります。例えば、過去の万博ではエコ素材を使用したサステナブルなブースが話題になりました。これにより、企業が環境への配慮をどのようにクリエイティブに表現できるかが示され、来場者にインパクトを与えます。マーケティングや展示会デザインの領域で、どのように空間を使ってブランドメッセージを効果的に伝えるかの参考になるでしょう。
 
3. インタラクティブな展示
近年の万博では、インタラクティブな展示が増えており、来場者が体験を通じて理解を深める形式が主流です。デジタル技術やAR(拡張現実)、VR(仮想現実)を活用した展示手法は、イベントや店舗デザイン、展示会の現場でもますます取り入れられています。マーケッターとして、来場者に「体験」を通してメッセージを伝える重要性を万博で学ぶことができるでしょう。

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4. サイン看板や案内表示
万博会場内では、膨大な数の人が移動するため、サインや案内表示のデザインも極めて重要です。シンプルでわかりやすいデザインが必要な一方で、来場者に注目されるクリエイティブな要素も取り入れる必要があります。この点は、商業施設やイベント会場、展示会ブースのサイン計画にも応用でき、ブランドやメッセージを適切に伝えるデザイン手法の参考になります。


5. デジタルとアナログの融合
万博はデジタル技術の最先端を展示する場でありながら、同時にアナログの美しさや伝統文化を融合させることがしばしばあります。このデジタルとアナログのバランスは、現代のマーケティングやイベントデザインにおいても大きなヒントを与えてくれます。たとえば、デジタルサイネージと手作り感のあるアート作品の組み合わせは、消費者に新鮮な驚きを提供します。

大阪・関西万博は、単なる展示イベントではなく、マーケティングやデザインの未来を見通す場所です。万博から得られるインスピレーションは、マーケッターやクリエイターにとって大いに役立つことでしょう。

大阪万博は“論争”も含めて現代マーケティングの縮図

大阪・関西万博は、その開催前からSNS上で多くの注目を集め、様々な意見が飛び交いました。リング型会場の建設費増加やパビリオンの変更、公式キャラクターやロゴデザインへの反応など、大小問わずいろいろな声が寄せられています。


こうした一連の出来事は、今の社会における情報の広がり方や、共感・違和感の生まれるポイントを考えるうえで、とても示唆に富んでいます。私たちマーケッターやクリエイターにとっては、まさに現代を映す教科書のような存在だと言えるかもしれません。


何が話題となり、どんな表現が支持や疑問を呼ぶのか。そのプロセスをリアルタイムで観察できるのは、万博のような大規模イベントならではの魅力です。多様な反応を恐れるのではなく、そこにこそ今の価値観のヒントがあると捉える視点が、これからますます重要になっていくと思います。

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